さて、とうとうKCNさん達とお会いする三日目。
午前中は土産物購入。嫁さんが大量のパイナップルケーキ(台湾の名物土産)を購入。過去最高のお土産購入量で、帰宅時の運搬に相当苦しむはめに…
昼食は、前から嫁さんと息子が行きたかったらしい、晶華大飯店1階のブラッセリー(http://www.grandformosa.com.tw/JP/Dining/Brasserie/)のバイキング。広い会場にとても多彩で豪華なメニューが並ぶバイキングに、食べ盛りの息子も大満足。幼い子ども連れの家族や若者のグループなど、観光客等だけではなく、地元台北の方も大勢いらっしゃったように見えました。
KCNさんとは午後2時にホテル前で待ち合わせの約束。今回も日本語が大変達者な端木さんに再び同行していただけるとのこと。
我々の宿泊ホテルに迎えに来ていただいたのですが、インターネットで知り合い、お互いに顔がわからず不安だった前回でしたが、今回は、ホテル前に停車された自動車の窓から見える端木さんの顔がすぐにわかりました。
事前の話では、台北のかつて日本人墓地だった後に整備された“林森公園”にある台湾総督府第7代総督である明石元二郎総督の墓地跡に行くことになっていましたが、なんと、KCNさんは、台北市街から車で4,50分の三芝の「福音山基督墓園」内にある、移設された現在の明石総督のお墓へ連れて行っていただけるとのこと。お忙しいKCNさんに、あまり甘えてご迷惑をおかけしては申し訳ないと思っていたのですが、望外のご提案に感激しました。
また、途中果物屋さんに寄っていただきました。

KCNさんと端木さんに立ち寄っていただいた果物屋さん。
御承知の通り、台湾はマンゴーやパイナップルで有名なフルーツ天国。おいしくて安い果物が豊富にあります。12月や1月に訪台すると涼しくて行動にはいいのですが、あの大変おいしいマンゴーを食べられないのが難点。立ち寄っていただいた果物屋さんでは、輪切りにすると星形になる通称“スターフルーツ”やお釈迦様の頭に見えるその名も“釈迦頭”、そしてKCNさん達からプレゼントいただいたのが“蓮霧(レンブ)”。甘さは控えめですが、サクサクとした歯触りで水分が豊富で瑞々しく、とてもおいしくいただきました。またメロンもプレゼントしていただきました。
ところで、明石総督とは大正7(1918)年に台湾に赴任した第7代総督。明石総督は、日露戦争時にロシアでの機密工作に従事した“明石大佐”としてもよく知られていますが、日本では残念ながら未だに台湾総督としての明石氏の功績を知る方は少ないと思います。
明石総督は赴任後、自らの目で台湾の実情を確かめんと各地を巡る視察を実施。台北刑務所を訪れた際には、二十代半ばの受刑者が大半であると聞き及び、 日本統治辞開始後に生まれた彼らに犯罪者が多いということは、日本の統治がまだまだ不十分であるため青年の犯罪を生生むのだと考え、さらなる善政への決意を新たにしたといいます。
1年4カ月と極めて短い在任期間のうちに、日月潭水力発電事業の推進、内地人と台湾人の教育上の差別を撤廃した台湾新教育令の公布施行(これにより台湾人にも帝国大学への進学が可能に)、司法制度の改革、嘉南銀行、台北高等商業学校の設立、交通機関の整備、森林保護など、今日の台湾の基礎を築いたといっても過言ではない近代化事業を精力的に推進しました。
台湾統治に精力を傾け多大な成果を上げた明石総督の名声は高まり、次は総理大臣という呼び声も高かったにもかかわらず、残念ながら洋上で病に倒れ、故郷の福岡で亡くなりました。
「死後は必ず台湾に葬るよう」との明石総督の遺言により、遺骸はわざわざ郷里の福岡から台湾へと移送され、遺言通り台湾の墓地に埋葬されました。
しかし、戦後、台湾へと流れてきた国民党軍の敗残兵や難民などの中国人が墓地に住み着き、墓地は荒廃を極めまるでスラム街と化してしまう有様。台湾の新しい支配者である国民党政権は、この惨状を長年放置し続けましたが、1994年に国民党以外から初めて台北市長に当選した陳水扁前総統がこれに心を痛め、居住者を退去させて同地を公園化(現在の林森公園・康樂公園)。その時、明石総督の墓は80年ぶりに掘り起こされ、明石元紹氏(明石総督の孫)の「祖父を台湾に眠らせてやりたい」との意向により、多くの台湾人の支援を受け、平成11年、台湾海峡を臨む三芝郷の「福音山基督墓園」に移設されました。
台湾の礎を築いたといっても過言ではない名総督の明石氏。
台湾人であるKCNさんも大変敬意を抱いておられます。
KCNさんも明石総督のお墓は初めてとのこと。
降りしきる雨の中でしたが、墓地の方にも大変ご親切にしていただき、無事、明石総督のお墓へと参ることができました。台湾海峡を望む三芝の高台に設置された総督のお墓は、石でできたとても立派なお墓です。私も、わずか心ばかりですが、日本から持参した日本酒と線香を供え、KCNさん達や家族とともに手を合わさせていただきました。

明石元二郎総督のお墓
ディズニーランドへ行ったことのある中学生は日本全国に多々おります。しかし、明石総督のお墓参りをした日本の中学生はそういないはず。感激することしきりの私とKCNさんを尻目に、ピンとこない様子の息子でしたが、いずれその価値が理解できる日が来ると信じています。

明石元二郎(写真はWikipediaより)
※参考Link:KCNさんのブログ「台民の鎮護 -明石 元二郎總督」(http://blog.roodo.com/kcn/archives/15724985.html)
明石総督の墓参りの後、台北の孔子廟へ。孔子様は学問の神様だと、息子の成績UPを願う妻もノリノリ。端木さんに手伝ってもらいながら、売店でお守りを購入していました。比較的新しく、精巧な彫刻も見事で立派な寺院でした。

孔子廟
その後、医療と長寿の神様「保生大帝」を祀った廟、「保安宮」へも連れて行っていただきました。先ほどの新しい孔子廟とは違い、龍山寺のように古く趣を感じさせます。龍山寺に負けずとも劣らない、大変見ごたえのある立派な寺院でした。



保安宮
なんとこの保安宮、戦後大陸からやってきた中国人が住み着いたことがあるとのこと。KCNさんと端木さんが、境内にあった碑文を指さし、説明してくれました。

碑文に見入る私達
先ほどの明石総督の墓地といい、この保安宮といい、そもそも宗教心や信仰心が欠落しているのか、どこに住んで平気な彼らには心底呆れ果ててしまいます。 私はこの説明を聞いて、思わず「信じられない!」と大声を出してしまいましたw
さて、寺院の参拝の後、皆さんとともに食事へ。
台北市内の鍋料理のしゃれたお店に連れて行っていただきました。そこでは端木さんのご友人で李さん(たぶんそうおっしゃいました)という、日本語が達者な若い男性も合流。日本や台湾の様々な話で盛り上がりました。みなさん、日本のアニメやマンガもお好きなようで、マジンガーZや宇宙戦艦ヤマトなんていう古いアニメが好きな李さんには、京都に来た際は是非マンガミュージアムに行きましょうと提案。
みなさん一様に心配されていたのは福島原発事故の現状。台湾では全く報道されなくなったとのこと。私は皆さんに、「野田首相が収束宣言を出したが、現状は収束などということばには疑問を抱かざるを得ない。完全に収まるまでには数十年を要する。発生初期に比べると微量ではあるものの、今なお放射性物質が放出され続けている。関東にも放射能汚染が濃い地域も点在している。全てではないものの、関東・東北産の食物の中には放射性物質に汚染された危険なものもある。」と説明しておきました。皆さんには気兼ねなく日本へお越しいただきたいのですが、全然大丈夫だから来てねっ!なんて日本政府のように無責任なことはやはり言えませんでした。
さて、そのお店ですが、鍋と焼肉が同じテーブルで同時に楽しめるようになっており、焼肉を焼きながら鍋をつつくという、日本では見かけない斬新なシステム。鍋を真ん中に、両脇に焼肉を焼く網があります。欲張りな嫁さんが特に気に入っていました。
楽しかった夕食を終え、李さんとは店の前で別れ、KCNさんには我々の宿泊先まで送っていただきました。KCNさんからは以前にもご紹介した台湾のブラック・メタルバンド“閃靈”のCDや、東京で開催された台湾人イラストレーターの作品展に出展された作品を集めたイラスト集、そして台湾先住民の昔の様子を収めた写真が豊富に掲載された誠に興味深い書籍など、たくさんプレゼントをいただきました。ありがとうございます!

KCNさんにいただいた品々。閃霊のCD、カッコイイ!!

いただいたイラスト集掲載のKCNさんのイラスト。とても個性的で美しく、魅力的です。

いただいた先住民の写真集「台灣老明信片」。日本統治時代等の着色写真の絵はがきが多数収録。実に興味深い写真集です。
KCNさん、端木さん、そして李さん、日本に来られた時は是非京都へと足をお運びください。私たちが今度は皆さんをご案内する番です。皆さんと京都でお会いできる日を心から楽しみにしております。
※KCNさんのブログ記事:正月7日lizardさんと一緒に明石総督の墓に行って参拝しました(http://blog.roodo.com/kcn2/archives/18728913.html)
さて、KCNさんたちとお別れした後は、妻の希望で台北101の近くにある“誠品書店”へ。
地下2階から地上5階まで、書籍のみならずグルメ、ファッション、音楽と、おしゃれな雰囲気の複合商業施設。私は台湾へ来るとCDを買うのが恒例となっていたので、CDを買おうと4階の誠品風尚へ。ズラリと並んだCDの数々。私は台湾人アーティストの作品を所望していたのですが、海外、特に欧米のメジャーは無論、インディーズ・アーティスト等のロック・ポップスから、クラシック、ジャズまでありとあらゆるジャンルのCDや映画のDVDが大量に並んでおり、ほしいものを探し出すのに一苦労。欧米コーナーにはあったのですが、ようやく見つけた台湾アーティストのコーナーには試聴ブースがなく、どれを買えばいいのかわからなかったのですが、店のおすすめ盤らしきシールがはりつけられたもののうち、ジャケットに惹かれたものなどを3点購入。また後日紹介します。

誠品書店で購入した3点のCD。別の機会に紹介します。もっと欲しかった…
妻を見ると少し不機嫌な様子。彼女が好きな台湾人俳優のジェリー・イェン(言承旭)や台湾ドラマのDVDが欲しかったらしく、私と同様、どこにあるのかわからなかった様子。そこで店員さんに例によって私の下手な英語と筆談で尋ねると、一生懸命探し出してくれました。
KCNさん達と出会い、盛りだくさんで楽しかった三日目もこれで終了。
明日はいよいよ帰国。
楽しかった台湾旅行も最終日。
帰国日は特に観光的なことは何もせず、ただ荷物の整理と、あと一軒だけ土産物屋に立ち寄りました。
“金龍藝品”(http://www.taipeinavi.com/shop/151/)では、以前に一度来たときも買ったのですが、化学薬品無添加で天然水を使い、植物由来の生薬などを配合した石鹸やシャンプーを購入。香りは薬草臭いのですが、なかなか良い感じです。髪が元気になる気がします。また、リンスやコンディショナーを使わなくても髪がしっとりします。薬効により数種類ありますが、はげに効くのはシャンプーの“洗頭水”、石鹸では“甘草”。日本語の達者な店員のおばちゃんは、「ハゲに効くのはこれ」とダイレクトな言い方で教えてくれますw あっ、私、まだハゲてませんので、念のため。予防のためですww

日本でもネットで購入できるようになったようです。
Link:ユアンソープ・台湾発、無農薬天然ハーブの石けん
前回が4泊5日だっただけに一日少ない3泊4日はとても短く感じられました。
また、訪台も5回目を数え、“台湾が大好き”という点では意見が一致するのですが、妻と私では台湾に対する趣向が随分と違ってきました。
私はもっと南部の方や田舎地方へも足を延ばし、台湾の歴史を感じる史跡、特に日本人ゆかりの地を訪ねたり、又、台湾人との交流を深めたいという思いが強く、そのマニアックな思いを全て通そうとすると、ショッピングや食事など普通の観光に重点を置く妻が楽しめなくなってしまいます。
そろそろ、台湾一人旅なんてのもいいかもしれませんね。
いずれにしても何度でも来たくなる台湾。
次回は今回訪問を断念した台中や、それより南のまちにも泊付きで足を延ばしてみたいと思います。
ちなみに、妻は勝手にもう日程を決めているようですw
今回も無事、台湾旅行を終えることが出来ました。
KCNさんたちをはじめ、お世話になった台湾の皆さん、本当にありがとうございました。
いつまでも平和で、台湾旅行へ行ける世の中でありますように…
そして、日本と台湾がますます仲良くなり、より一層繁栄してアジアや世界に貢献できますように!!
長々と駄文を読んでいただいた方、ありがとうございました。
(おわり)